■全世界で猛威を振るっている新型コロナウイルス
新型コロナウイルスの感染者が世界で15万人を超えるなか、ヨーロッパでは一部の国で非常事態が宣言されるなど、市民の生活に影響が出ています
国や地域別の感染者数は多い順に、▽中国が8万844人、▽イタリアが2万4747人、▽イランが1万3938人、▽韓国が8162人、▽スペインが7753人
中国本土では、新型コロナウイルスの新たな感染者が全体として減少する中、北京や上海といった主要都市で海外からの渡航者の感染が国内を上回るペースで増えている
■日本でも増え続けている
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A notice informing the temporary closure is seen at the Daimaru Tokyo Department store in Tokyo, Japan on March 3, 2020, amid new coronavirus spread. (Photo by Naoki Nishimura/AFLO) by 写真:西村尚己/アフロ
各地の自治体や厚生労働省によりますと、午前10時半現在、日本で感染した人などは合わせて804人です
5人以上のクラスターは北海道から大分県まで10都道府県の合わせて15か所にのぼっています
■そんなコロナウイルスですが「2種類」存在することが分かっている
新型コロナウイルスは「L型」と「S型」に分類できる
「L型」はこのうち70%を占めて「S型」に比べて感染力が強く、「S型」は遺伝子の特徴がコウモリから検出されたウイルスに近く、「L型」より古い型
■中国・武漢で流行したのがL型だという
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Medical workers in protective suits disinfect an intensive care unit (ICU) ward of Union Jiangbei Hospital in Wuhan, the epicentre of the novel coronavirus outbreak, Hubei province, China March 12, 2… by 写真:ロイター/アフロ
L型の方が感染力が強いとみられ、湖北省武漢で爆発的流行が起きた時期に多く確認され、1月初旬以降は減少した
103人を調べた論文だが、うち2人が2種類のウイルスに同時に感染していたということが報告されている
L型はS型から変化して出現し、感染力が強い可能性がある。武漢市ではL型が大半を占めた
■どちらが優勢になるかはわかっていない
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Medical workers in protective suits attend to a patient inside an isolated ward of Wuhan Red Cross Hospital in Wuhan, the epicentre of the novel coronavirus outbreak, in Hubei province, China Februar… by 写真:ロイター/アフロ
武漢から出てきたウイルスはほとんどL型なんです。ところがその後いろんなところで見てみるとS型が少し優勢になってきている。その理由はいろいろ考えられますけれども、変わってきている
その理由はいろいろ考えられますけれども、変わってきているんです。今後どちらが優勢になるかは見ていかなきゃいけません
研究チームは、今後、突然変異が起きる可能性は排除できないとして、さらに遺伝子の分析を進める必要があると指摘
■いずれにしてもまだ分からないことが多い
ウイルスは毒性の高いL型がはじめは勢力を伸ばしていましたが、子孫を増やすためには毒性が弱いS型の方が有利になったと思われます。今後、さまざまな型が出現するかも
山東省では14%くらいの人が再び熱が出て、ウイルスが見つかったという報告があるし、日本でも再度症状が出たというケースが報告されているが、タイプが複数あるということと関係しているのかどうかはまだ分かっていない
いずれにしろ人間に免疫を作らせる力は弱く、麻疹のように一度かかったら一生かからないという病気ではない。だからワクチンができ、それを打ったとしても、2、3年したらインフルエンザのように再びかかってしまうかもしれない