佐藤オオキという人物
1977年、カナダ生まれ。日本のデザイナー、建築家である。デザインオフィス 「nendo(ネンド)」代表。早稲田大学非常勤講師。Newsweek誌「世界が尊敬する日本人100人」などに選出される。
普段の生活は、できるだけルーティンワークを大事にしているそう。
昼食は同じそば屋で同じメニューを食べて、そのあと同じスタバで同じコーヒーを飲んで…。少々変わり者であるが、それだけデザインに熱心ということ。
主な代表作
先端が尖っていたり、内部が空洞だったり、表面が滑らかであったり、ザラついていたり、、と、ひとつひとつの食感が異なることで、同じ原材料でありながら味の変化を生み出すことを考えた。
クリエイティブディレクターとして、トラベルバッグブランドのブランドイメージを刷新。
ありそうでなかった、上下左右の4方向から開閉可能なスーツケース「360(サンロクマル)」などを発表した。
スターバックスでお馴染みの白いマグカップを、佐藤流にデザイン。
「いつでも満たされた気分」になるスタバの世界観を表現し、カップの裏面にコーヒーの表面のグラフィックをあしらう。
洗った直後や食器棚の中などでひっくり返っていると、まるでコーヒーが入って見えるようになった。
職人の高い技術力によって先端部分だけを細く削り込むことで、箸置きを使わずとも、どの面を下にして直にテーブルに置いても、箸の先端がテーブルに触れない形状になった。
2002年に佐藤オオキを中心に設立されたデザインオフィス。東京とミラノに拠点を持ち、建築、インテリア、プロダクト、グラフィックと幅広くデザインを手掛ける。06年Newsweek誌「世界が尊敬する日本人100人」に選出され、12年にはWall
佐藤オオキ流、アイディアの発想法
デスクに向かって手を動かすのも大事なことですが、同じくらい、ヒアリングやリサーチを重視しています。つまり、現場の声を聞く。現場の空気を見る。
無意識のストレスの存在に気づくこと。
そんなストレスを取り除く方法を思考すること。
ありそうでなかったデザインは、そのための「解」です。
クライアントに贈るプレゼントを考える行為に近いです。その人のしぐさを見たり、いろいろな話を聞いたりしながら、相手が欲しいものだけではなく、本人は自覚してないけど、これをもらったらうれしいのではないかと思うプレゼントも探すような感覚です。
完璧なデザインなんて過去も未来も永遠にない。
だからこそ、視点を変えるだけで、過去の欠点を未来の長所にできる。
先ほど紹介したチョコレートが良い例。
普通、お菓子の味は成分が決める、と思われているが、その「形」から新しい味を生み出すこともできるのだ。
使い古された技術、過去にボツになったアイデアであっても、視点を変えたら新しいものになります。どんなものでも見方を変えれば、面白くなるものなんですよね。
自分と関係ないと思った要素の中にも、魅力的なアイデアのきっかけは潜んでいたりします。
なので、あえて情報にアンテナをはるというよりは、自分が空気清浄機のフィルターになったみたいな感覚で、さまざまな物が自分を通過するようにしています。
フィルター掃除をすると、たまに面白いアイデアが出たりする。
さあ今日は面白いアイデア出すぞ、と思ってもなかなか見つからない。
これからのデザイナーはどうあるべきか?
デザインは、閉じられているものでも専門性が高いものでもない。
デザインは、柔軟で面白くって、人と人とをつなぐものなんだ。
企業にしろ商品にしろサービスにしろ、消費者と最初に接するのはデザインです。だから、よいデザインは、まっさきに人の役に立つ。
作品「peel」は一部が「めくれた」カップ。
めくれた部分に、ティ-バッグの糸を巻き付けたり、スプーンを引っ掛けたり。更にフタは底に高台がついているため、小皿としても利用できる。